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優しくて、なにか悲しさを感じさせるもの




先日、娘の髪を切ってもらいに
行きつけの美容室へ行ってきました。

チャリンコで五分のこの美容室。
今ではファミリーでお世話になっています。
ここの美容師さん、東さんと言いますが
肌が合うというか、話が面白い。
考え方のセンスも何かを観る角度も面白い。
そんな東さんには
本や音楽、特に映画の情報をいつもいただいてます。

昨日、クドカンの小説の話をしたとき
東さんが鋭い指摘をしました。

「最近、クドカンのとげがなくなってきた」

と。

聞くところによると
宮藤官九郎さんには小さなお子さんがいるとのこと。

あ・・・、すんごくわかる。
子供ができると、確かに人生観が変わるというか、
心が洗われます。
ものを創る仕事をしている人は
作品の質すら変わってしまう。

そう、子供は天使ですから・・・・。

主人も言ってました。
子供が産まれた瞬間、体中の血が入れ替わったみたいに清らかになった。

私の友達の絵描きさんも
子供が産まれてから、描きたくなくなったと言っていました。
理由は「悲しいことや切ないことがなくなってしまった」ということ。

でも
ここからだと思う。

いろんな環境の変化もひっくるめて
自分が表現したいことをカタチにしていく。

親という立場。
子供のいる環境。
私を産んでくれ、育ててくれた親。
取り巻く環境の中で
「一人じゃない」
という責任が、どっと押し寄せてくることを感じたのも
子供を産んでから。

こんなこと書いて表現して良いのだろうか。
悩みに悩みました。

私も子供を育てて
八年目にして
やっと、壁を越えられそうな気がします。
「やっぱ、書こう」
そう覚悟するまで時間がかかりました。

「ものつくる人って、少し切ないくらいの方がいい」
わかる。すごーく。

本当の切なさは
幸福の絶頂を味わった後に本当に感じるのではないかな、と思います。

私の書きたい物語は
優しくて悲しい物。
by kai-takasaki | 2009-11-20 15:06 | エッセイ