人気ブログランキング | 話題のタグを見る

喜ばれる作品





昨日オーダーいただいていた「絵」を納品してきました。

エストニア生まれのAさん。
その方が今回のご依頼人です。

ご主人の好きな「アンコール・ワット」
ご子息お二人とエストニアの風景
そして・・・何か日本を感じさせられるモティーフを・・・。
というのが条件でした。
その条件さえクリアーできれば
「アトハ、タカサキサンニオマカセシマス」

ということでした。

エストニアの資料を沢山おかりして
読みあさりました。
とても素晴らしい国でした。

その中で
「エストニアに春を知らせる鳥」がツバメであることを知りました。
絵の中にツバメを入れることにしました。
「毎年、Aさんのご家族に穏やかな春がおとずれますように・・・」
という願いを込めました。
そしてご子息様二人の「名前」からインスピレーションを感じた
「昇り竜」を入れました。江戸のイラスト集からヒントをいただき
自分でアレンジしました。

紙は「竹」から出来た和紙を。
紙は「神」と同じ読み方をします。
紙を折ることは「紙事」と言われ何かが始まるという意味があります。
しかし「切る」のはあまり良しとされていないと聞いた事があったので
余計な部分は手でちぎりました。
上手くいくように筆をぬらして紙の繊維が残るように、丁寧に。
コラージュに使ったのは日本の伝統模様をあしらった「麻」の布を。
麻は昔から「邪気を払う」と言われています。
和紙と麻の布を糸で縫い付けてできあがりです。

これらのコンセプトをご主人宛に「手紙」でたくしました。
筆と墨で書きました。
私は英語もよく話せないし
Aさんに全てを正確に伝えるのが難しいと感じたからです。

でもAさんはその絵を見て
「嬉しい嬉しい。素晴らしい」
と目をキラキラさせて喜んでくださいました。

私もうれしくなったよ・・・。

私の作品は「アート」や「芸術」というよりは
職人さんが器を作り出すような感覚に似ているかもしれません。
正確にデッサンするために
細かくサイズを測って描き起こすし
「こういう風にしよう!」と決まったら
淡々と作るだけ。迷いはほとんどありません。

そして何より
「喜んでもらえる」
というのが一番の目標です。

私の出来ること。
欲張らず身の丈で。
by kai-takasaki | 2010-01-28 09:04 | 制作