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柴舟






四年前、仙台のカフェ・モーツァルトアトリエで個展をしたときに
私がデザインしてステンドグラスにした作品がありました。
これが、原画です。
柴舟_b0167919_20163318.jpg
予想以上の人気で、完売いたしました。
個展が終了して、芳名帳にお名前を残していただいた方に
お礼状を書かせていただいたところ
購入いただいた中のお一人が、お礼のお電話をくださいました。
そのことがきっかけで、いまでもお付き合いさせていただいている方がおります。
彼女は私よりずっと大人の女性で、もともとは仙台の方なのですが
嫁いだ先が、茨城県。たまたま帰省中に立ち寄ったカフェで私の作品を見て下さったのです。

今日はその方が帰省すると連絡があり
久しぶりに会うことになりました。
Mさんといいます。彼女は絵を描いています。娘さんも画家。
息子さんは有名な洋服のブランドのデザイナーをしているという
筋金入りの芸術一家。
お話も楽しくて、楽しくてあっという間に時間が過ぎました。

待ち合わせの30分前、私は彼女にプレゼントを選んでいました。
何か、仙台を感じさせるもの・・・。
「お香」はどうかな・・・。と思って国分町にある「佐生」さんへ行って見ました。
香りには好き嫌いがあるし、迷ったのですが
このお香を焚くたびに、仙台を思い出してくれたらと思って
伊達政宗公所持の香木「柴舟」の物語からつくられた
お香、「柴舟」を選びました。
箱も素敵でした。観音開きで内側に貼られた和紙が美しい紫。
箱に書かれた「柴舟」の書は、伊達政宗公の直筆を写した物です。
香りも良かったので包んでいただきました。

帰り際にお渡ししたところ
大変喜んでいただきました。
お香が好きだったのです。

良かった!!

ご主人が、「老後は仙台に住もう」と言ってくれたと喜んでおりました。
Mさんはもちろん、娘さんとは年も近いので仲良くなれそうです。
「また、お会いしましょう」と手を振り別れました。

帰りに、自分も「柴舟」がほしくなりました。
もう一度お店によったところ、ご主人が私のことを覚えててくださいました。
「お友達にプレゼントしたら、自分も欲しくなりました」
「そうですか、ありがとうございます」
と丁寧に包んで下さいました。

香りは、記憶を導く引きだしと言われております。
今日、桜香る春の静かな雨の日が
私とMさんにとって
柴舟という香りで包まれる1日でありますように。
by kai-takasaki | 2010-04-23 18:34 | 仙台