遠西のおばちゃんに教えられたこと。

遠西のおばちゃんが亡くなってしまった。
母のお兄さんの奥さん。
気立てが良くて、明るくて、とびっきり優しかった。
小さい頃、ちょっと預けられた時があったんだけど
その時一緒に「りかちゃん」ごっこをしてくれた。
農家だったから、朝早くから田んぼの仕事があり
お昼寝の時間は貴重なのに
私が寂しい思いをしないよう
りかちゃんを一生懸命動かしてくれた。

すごーく、優しい人だった。

私が具合悪くなって
りかちゃんの上に吐いちゃった時も
りかちゃんの着ていた緑色のワンピースをきれいに洗ってくれた。
家族の洗濯物と一緒に
小さいワンピースを干してくれてさ、

「かわいいね」

なーんて、ヒラヒラと風になびく緑色のワンピースを
二人で見たよね。

従兄弟がみんな
年が離れて大きかったから
必然的に私は中に入れなかった。
遊びに加われないとき
必ずおばちゃんが私と遊んでくれて
嬉しかったな。

亡くなる前
「温泉に行きたい」「寒い、寒い」
って頻繁に言うから
おじちゃんは何回か温泉に連れて行ったという。
その温泉で息を引き取ったらしい。

手足は冷たくなったけど
温泉に入ったせいか
顔と体はいつまでもぽかぽかしていたみたい。

私とおばちゃんの思い出は
古い家の時の事ばかり。
今は息子さんが建て直して立派になっている。
でも、わたしが思い出すことといったら
昔の造りの、土間があって、牛舎がある時の記憶ばかり。
裏にはグミの木もあった。

あー、なんか
「一人でなんて育ってないな」って思う。
おばちゃんにも
私が私であるための
ひとかけらの要素を頂いたんだなって。

「優しい人でありたい」

という気持ちは
おばちゃんに優しくされたことを
私が五感で覚えていたからだと思う。
もちろん、そのことだけでなく
色々な日常の出来事の繰り返しの中で
学んだとはおもうんだけどね・・・
その中の小さな小さな出来事ではあるけど
私にとって、私が私でいるための
大きな要素になっている。

特別なんてない。

毎日が特別なんだ。
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