本物のモノつくり

昨日、県内でお米を作っている
「迫ナチュラルファーム」の若い生産者さんとお話しをしました。

無農薬でお米や野菜を育てている人達です。

無農薬で作る。
それは消費者にとっては願ってもいないことです。
添加物の少ない物、自然に近い安全な食べ物を食べたい。
そうは言うけれど、
生産者にとっては簡単な事ではありません。

周りの農家さん達は
農協から「これを使って下さい」と言われた農薬を使いますが
それを「いいもの」と思って信頼して使っています。
農協から渡された物だし、国で認められているので
そう思うのは当たり前です。
虫のついた商品を出荷すれば
価値だって下がります。
「強い物に巻かれる」そんな状態です。

無農薬で作っているナチュラルファームの試行錯誤を
周りの農家の人達は
「何をやろうとしているんだ?」
「お前達が農薬を使わないから俺たちの田んぼにもカメムシがきたでねぇか!」
と言われたこともあったそうです。

その土地に住んで
そこで生きていくのに
周りと歩調が合わない。
でも、自分たちは「無農薬栽培」を楽しみにしていてくれる消費者がいる。
その一心で作っているそうです。

若き生産者はとても明るく、希望に満ちた目でこう話して下さいました。

「代々、良い土を残して下さったご先祖様がいるから、自分たちもできるのです」
土が元気でなければ
無農薬に切り替えても、土がよみがえるのに時間がかかる、とも。

私は昨年から、農薬の事を中心に環境問題を取材して記事にしてきました。
「農薬を使うな」というのは簡単ですが
その裏には、温暖化の影響や国が定めた一個人ではどうにもできない問題が山積みです。
そんな中で、先祖が残して下さった「土」に感謝して
誇りを持って「本当の食べ物」を作っている方達が確かにいるのです。

「この人達が作った物だから食べたい」

私はそう思いました。
無農薬とか、栄養価とか
そういうことが先ではなく
「この人」の愛情と手間暇を優先したいと。

「モノ」を作っているのは人であり
次世代に誇りと自信を持って受け継いでもらえるものだけが
これからは残っていくのではないかと感じます。

昨日、話を聞いていたとき
私も含め、あまりにも理不尽な世の中に思わず泣いてしまった。
生産者さんはびっくりして
「そんな泣くことじゃないですよ。自分たちはそういうモノ作りをしていきたいだけです」
とそれはそれは吸い込まれるような瞳で
私にそうおっしゃいました。
「田んぼには沢山の生物がいるんです。あー、俺んちの田んぼにはこんなに集まってくれている」
そう思うと嬉しいし、楽しいとも。

生物多様性、環境破壊、水質汚染・・・。

難しいよね。
でも、難しくしているのは
自分自身だと感じます。
答えは実にシンプルで簡単なのです。

私は今年も環境問題に取り組みます。
少し深掘りして
本物のモノ作りをしている人達の
物語を書いていきたいと思っています。








日々淡々。
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