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歳を重ねること

日曜日の早朝、ソフトボールの試合がありました。

私の所属するチームは二部リーグです。そのリーグに、今年エントリーしてきた新しい2チームが今日の対戦相手です。

一度も試合したことのないチームは、緊張します。しかも名簿をみると、歳が・・・二十歳のチーム・・・!!
わ・・・若い。ついこの間まで高校生ですよ!?

そんなことを考えているうちにプレイボール。

私はピッチャーなので、バッターの特徴を瞬時に捉えなくてはいけません。
バッターボックスの使い方。
バットの構え方。
バントか? それとも打ってくるか?
目線。

投げると同時に駆け引きが始まります。・・・といっても、基本は打たせて守備に捕ってもらい、アウトにする。
集中、集中・・・。

一番バッターは、塁に出る確率が高い人。打つこと、自分も生きるセーフティバントができて、足が速い人。
イチローは理想的な一番バッターです。
二番は塁に出たランナーを送るバントや、ゴロを確実に打てる人。足が速ければなお理想的。
三番はロングヒッター(遠くに飛ばせる人)
四番はホームランか三振か・・・くらい豪快な人。
五番は、四番のフォローができるロングヒッター。
六番から八番はこつこつと次につなげられる人。
九番は確実に一番につなげる人。

一番から九番まで、セオリー通り役者が揃っているチームは、予測がつく分駆け引きも大変です。相性もあります。・・・つまり、私のボールに対して打てる人と打てない人がいます。ものすごーく感覚的な事ですが、一番重要かもしれません。

元気な二十歳の男の子たちのチームに対して、最初は「楽しくやろう」といつものように冗談を言いながら体と心をほぐしていましたが、いざ始まると、私も含めみんな・・・本気モードに入っていることに気づきました。

負けたくありませんでした。

私はキャッチャーの指示通り、コントロール良く、ボールに緩急をつけて投げることに心をくだきました。
そのため、深めにサンバイザーをかぶり、相手の顔を見ないでキャッチャーのミットだけ見ることにしました。そこにバッターの存在を無くすイメージの仕方は、全国大会目指して投げた時と同じ投げ方。私だけの投球方法です。
「打たせて、守備にまかせる。」それを心に決め、一人ではないことを確認して投げる。ソフトボールは9人でするもの。一人で何とかしようと思わない。そう思うと・・・良いボールが投げられる。

集中、集中!!

すると、神がかり的な事が起こりました。自分のイメージ通り投げられたのです。・・・もちろん、キャッチャーの指示したところへ投げるだけですが、そこに吸い込まれるようにボールが行くのには、集中力と試合経験が必要です。
・・・でも、試合経験なんて、ないに等しい。それくらい長い間ソフトボールをしていなかった私です。元気な二十歳の子の方が、むしろ現役に近く、思い通りプレイ出来るはずです。
でも・・・大丈夫でした。最後まで投げきる事ができました。

私は投げながら、日常の経験が生かされているなぁーと、ゲーム中ぼんやり考えていました。

日常で繰り広げられるたくさんの出来事と経験。我慢や駆け引き、物の見方、感じ方すべてが今、この試合に出ていると思いました。

明らかに、二十歳の人間と三十七歳の人間では十七歳の「差」がある。二十歳の子が経験したくても出来ない時間を私は過ごしている。だから・・・その分気持ちに余裕がある。ちょっとやそっとの事で動じないし、カッ・・っとならない。生きていればそんなこともあるよね。と冷静に次の事を考える。一つの方法がだめなら次を考える。

多分、私はその「差」で投げきる事が出来たと思います。実際、三振もかなり多かったし。

相手のピッチャーは本当に素晴らしかった。ライズボールだの、カーブだの、脅し玉だの、しかも緩急つけてタイミング外すし、すげーよ・・・。・・・でも、若さ故、つい熱くなる。コントロールが定まらず、かなり苦労していました。・・・でも、やはり持っているものは素晴らしい。・・・実際打てなかったもの。

結果は3対7で負けでした。でも、みんな声を掛け合って頑張った・・・!! いつもクールなサードのYさん(66歳!!)が、今日は声をいっぱい出して励ましてくれた・・・(泣) そりだけで満足です。

試合が終わった後、みんな同じ気持ちでお互いを讃え、握手をしました。
by kai-takasaki | 2009-04-22 13:17 | エッセイ