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オクトーバー・フェスティバル





手前味噌ですが・・・。

私の実家(大崎市・岩出山)では手作りハムを作っています。

父が事業を始めたのは、私が大学生になる頃ですから・・・20年くらい前になります。
それまでは、お米を作る専業農家でした。父が「これからはお米だけでは食べていけない」
と悟って、小さい頃からの「夢」に着手しようと覚悟を決めたのです。
周囲は大反対でした。お母さんは毎日毎日泣いていたし、親戚のおじさんたちも「できるわけない」
と口を揃えて言いました。
父がどのように周りを説得したかは分かりませんが、淡い記憶に残っている限りでは
おじいちゃんが最後にゴーサインをだしたようなことを聞いた事があります。

あの頃、ソーセージやハムといったら赤い色のついたものが「当たり前」です。丁度、食感がぱりっとして
ジューシーなソーセージが庶民に定着し始めた頃でもありました。
父が目指したのは、ワンランク上のものでした。なにせ全課程が手作業。気の遠くなるような仕事です。
しかし、味付けは本物でした。途中、ドイツに行って本場のソーセージも食べたそうですが
父が目指したのは「日本人が好きな味」でした。
母は、料理の上手な人で舌も確かなひとです。そのセンスは父を大いに助けました。

ご縁があって仙台の老舗デパート(藤崎)の催事でお披露目するチャンスをいただいたのがきっかけで
今でも地下二階に常設させていただいてます。
一番最初の催事の時、右も左も分からない「田舎もの」が仙台のとある駐車場から
リヤカーでハムを運んで搬入する様子は、周りの人からみたらさぞかし滑稽だったことでしょう。
父と母はなりふり構わず、それを運んだそうです。
その時の催事で、仙台で有名な蒲鉾店の社長さんがあれこれ手をやいてくださって
一から十まで教えてくださったそうです。きっと、見るに見かねたのでしょうね。
その日の売り上げは「5,000円」
専業農家では一年に一回、どーんと収入があるだけですから
こうして今、自分の作った物が売れて、この手に五千円ができた。という喜びは忘れられなかったそうです。
家で心配してまっているおばあちゃんに
「五千円も売れた」と涙ながらに報告したそうです。

それから父と会社は進化し続けました。
岩出山家庭ハムの「顔」であるスペアリブ、私がつくったわけでもないのに
「檜ちゃんベーコン」と皆様にかわいがられているベーコン。
各種催事で大人気のソーセージ。
藤崎デパートのお中元、お歳暮商品の定番になるまでになりました。
仙台のテレビ、ラジオにもちょくちょく出させていただき感謝するばかりです。

父がこの仕事を始めたとき、45歳でした。父は言います。
「やりたいことを始めるのに年齢は関係ない」と。
そうは言うものの、誰でもできる事ではありません。その創造力、仕事のイメージの仕方
考え方のセンスは目を見張る物があるし、それを常に実行に移し実現する母の力もすごい。
二人は私の生きていく上での手本です。

そんな背景がある「岩出山家庭ハム」数年前から錦町公園で開催される
「オクトーバー・フェスティバル」に参加させていただいております。私の手作り看板が目印だよ!
今年は9月19日~27日まで。
詳しい詳細は後日アップいたします。

私も手伝いに行きます。良かったら来て下さいね!!
by kai-takasaki | 2009-09-03 14:17 | エッセイ