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一器多様





新しい仕事の話が舞い込んできて
お受けするか迷っていた時
ますみさんから突然電話がきました。

ますみさんは
カラーの仕事を通して
様々なクリエーターの
ものつくりのプロデュースをしたり
空間を演出したりしている。
出会いは私が彼女の企画した
ワークショップに参加したのがきっかけ。
私の感動を手紙に綴り、返事が来て
交流が始まりました。

「何で迷ってるの?」
「・・・わからないです。なんかもやもやしてるんですよ・・・」
「だいたいもやもやしてるって時はやりたい時なんだよね・・・」

彼女はいつも私の曖昧な気持ちを
瞬時に言葉で置き換えてくれる。
それがいつも的確で驚いてしまうのだ。
きっとそういうものの考え方を習慣にしてきた
「生き方」がそうさせるのだと思う。
堂々として、潔くて、自信に満ちあふれていて
ものすごくやさしい。
この人が男だったら、間違いなく惚れていると思う。
私は今まで生きてきた中で
この種の女性には、ますみさんの他に会ったことがない。
そんな彼女が私にこんなことを教えてくれた。

『一器多様』

人を「器」という道具に例えるなら
私は無限の用途を持った
「一器多様」の器になりたい。
それに、包丁にも「意志」はあると思って
付き合っている。
「今日のきれ加減は如何?」ってね。

わたしは自分を客観視出来なくなるほど
追い詰めすぎていたのかもしれない。
ますみさんはいつもこんなことも言う。

「人と会ったり話したりすることで、自分を知る事が出来る」

今日、ますみさんが電話をくれて
話せたことは偶然ではないと思う。
私も自分を知るのに、ますみさんを求めていたのかもしれない。

私のもやもやは美しく澄みきった空のように晴れ渡り
仕事もお受けする覚悟を決めました。

友に感謝しつつ。
ありがとうございました。



日々淡々。
by kai-takasaki | 2010-02-12 07:59 | エッセイ